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執筆者:Mirai Takebe 運営者に問い合わせる

公開日:2016年03月09日 最終更新日:2017年08月30日 

就職できない博士のために。あなたと企業は何故結ばれないのか

院卒、特に博士号取得者は就職活動の話題の中で悲惨な扱いをされることがあります。 QAサイトなんかでもそのような質問を散見することができます。

アンケートによれば、博士の研究能力は評価されることが多い一方で、人と話せない点や企業の仕事をこなせない点がネックだと感じる企業は多いようです。 これは博士の素質以前に、大学という風土に慣れすぎたが故に、環境の違う現場で戸惑いがもたらした結果なのかもしれません。

研究の世界で求められるのは、教授や差読者を納得させる100%の研究成果です。 一方、企業の現場で求められるのは営利、つまりお金です。

あなたにはお金を得るための柔軟な行動力と、周囲と調和して作業を進める姿勢が求められています。

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はじめに

就職できない博士がいることはあなたもご存知だと思います。 せっかく、

  • 学部4年
  • 修士2年
  • 博士3年

の9年間も大学で経験を積んだのに、逆にそれが仇となってしまい、路頭に迷ってしまうのは、日本にとって損失だと筆者は考えます。

以下では、あなたがこれから就職活動を目指す側の博士である事を前提に話を進めます。

最初に筆者が就職活動セミナーで感じた事柄を紹介します。 続いて、就職活動の上でポイントになりそうな点をいくつか挙げたいと思います。

就職活動セミナーで感じたこと

大学に9年間もいると、良くも悪くも大学のシステムに慣れてしまいます。 特に、大学院以降は大学にどっぷりつかることも多いと思いますので、そこから就職し、企業で働くためには、少なからず意識改革が必要になります。

ここで紹介するのは、30代の筆者が20代にまぎれて就職活動セミナーに参加した際に感じた事柄です。

  • 大学の「研究」と企業の「研究」はニュアンスが異なる
  • 大学は研究成果を追求するが、企業は営利を追及する

当たり前のことですが、一度社会に出ないければ実感のわかない事柄だとも思います。

大学の「研究」と企業の「研究」はニュアンスが異なる

大学の人間が言う「研究」と、企業の人間が言う「研究」という言葉には、そのニュアンスに違いがあります。 同じ言葉だからと騙されないようになさってください。

大学の研究と言うと、説明不要、あなたが今行っている日常のことです。 理系の研究者であれば、なんらかの実験器具を使って実験を行っているかもしません。

大学の人間は、「研究」と言われればそのような姿を想像するはずです。 もし、企業側に「基礎研究」と言われれば、自分の現在の姿の延長を想像しがちだと筆者は考えます。

一方、企業側の言う研究とは、どちらかと言えば、新製品開発やマーケティングなどの市場開発を指すことが多いようです。 もちろん業界によっては試験官に薬品入れるようなことをやっているでしょうが、どちらかと言えばそのような企業は少数派になると思います。

就職活動セミナーの話を聴いていて、筆者はここにお互いの認識の差異があるのでは?と感じたのです。

企業側が言う「研究」という言葉。あなたはそれがどんな仕事なのか、イメージできていますか?

大学は研究成果を追求するが、企業は営利を追及する

最近は大学も法人化の影響で予算取りが厳しくなってきましたが、それでも大学には日本学術振興会などを通じてお金が「下りてくる」というシステムは従来のままです。 科研費などの申請は、毎年スケジュールが決まっており、普通はそれに併せて動くように思います。

一方、社会の中で企業が生き抜くためには毎月の売り上げが全てです。 たとえどんな優れた技術開発を行っていたとしても、物やサービスが売れなければ生存できません。

大学では、研究者は研究成果を上げるために動きますが、企業では営利(あなたの今月や来月の給料)のために活動を行います。

企業では大学以上にお金が大切なのです

博士課程まで行った大学院生が躓きやすい点がここにあります。 つまり、将来のお金を得るために、簡単に方針を変えたり、完成度を犠牲にしたりすることがある点です。

通常、研究者は常に100%の成果を論文に投稿するよう求められます。 検証不十分の「穴」があれば査読で突っ込まれるからです。

ですが、この100%の成果を出すためには、膨大な時間を要します。 これが企業で働く際にはネガティブなポイントになるのです。

繰り返しになりますが、企業は将来のお金を得るため動きます。 状況にもよりますが、早く仕上がることは良いことなのです。

時には50%で妥協する。どう思いますか?

就職できない博士は何が問題なのか

就職できない博士には就職できない、それなりの理由があります。

以下は、経団連が2007年に発表した「企業における博士課程修了者の状況に関するアンケート調査結果・要旨」を元に、博士課程出身者の問題を考えてみます。 本アンケートは就職できなかった博士のアンケートではなく、博士課程修了後、企業に勤めた人材に対して、企業側が感じたポイントをまとめたものです。

本アンケートには、企業側が博士課程修了者について問題があると考えているポイントが示されています。

「コミュニケーション力(19社)」 「協調性(16社)」「業務遂行能力(10社)」に問題があると考えている企業が多い

企業における博士課程修了者の状況に関するアンケート調査結果・要旨(PDF)

  • コミュニケーション力
  • 協調性
  • 業務遂行能力

この3点、あなたはどう思いますか?

コミュニケーション力と協調性はほぼ同義だと思いますので、仕事を進める上で話ができず、仕事もできないといったところでしょうか。 ストレートに書くと見も蓋も無いですね笑

もし企業側が採用した人材にそのような博士経験者がいるのであれば、次に面接される博士課程の学生はきちんと話ができるか、仕事は出来そうかという観点で見られることになります。

就職できなかった博士は、この部分で落とされた可能性があります。

これは就職希望者の素質と言うよりも、良くも悪くも大学のシステムに慣れてしまった結果なのかもしれません。

博士が就職するために

博士が就職するためには、前章で挙げた問題点を解決できれば就職出来る可能性は高まると筆者は考えます。

コミュニケーション力・協調性を高める

あんまりこんなことを書きたくはありませんが、博士号取得者の中には、自分の好きなこと・興味のあることだけを延々と話す奇特な方もいらっしゃいます。 当然ですが、それではコミュケーション能力は低いと思われてしまいます。

特に面接のような場面で重要なのは、相手が知りたい答えを返すことです。 言葉のキャッチボールなんてよく言われますが、それが最も重要視される場面の1つかもしれません。

また、特に1人で研究を進める博士経験者に多いのが、自身の現状を他者に報告できない点です。 それでいて、物事を追求する能力だけは特化しているため、相談も無く、間違っている方向に事を進めてしまうと協調性が低いと評されてしまいます。

上述のように、企業では50%で妥協することも大切です。 何かあったら相談する。 企業ではそのような博士が求められているはずです。

業務遂行能力を高める

業務遂行能力を高めると簡単に書きましたが、これには困った点があります。 というのも、年齢基準で考えると、博士の比較対象は社会人3年目の修士卒と、社会人5年目の学士卒だからです。

最初は不利な戦いを強いられるのは仕方ないです。

どこに行ってもそうだと思いますが、仕事ができないのに偉そうなことを言う人間は嫌われます。 少なくとも「俺は博士様だ」という態度は止めたほう良いです。

就職する分野にはこだわらない

博士に限らず、就職できない方の中には、自身が特定の分野や特定の企業に就くべきだと考えすぎて、結果上手くいっていないケースが散見されます。 就職することをゴールにするならば、視野は広く持ったほうが上手くいきやすいです。

ちなみに、自分に向いている仕事を探して転職するには?でも紹介したように、就職活動時に考慮すべきは、現在あなたが持っている能力や適性、技術がどのように役立つかということです。

あなたの研究成果が直接役立つ仕事はほとんど無いでしょうが、あなたの基礎的な能力が役立つ仕事はたくさんあると思います。 研究内容との関連に縛られすぎないようになさってください。

ちなみに、博士だから「研究が得意で人と話すのは苦手」とは限らないので、色眼鏡で自身を判断なさらないようにもなさってください。

世の中には、毎日研究室に寝泊りしたり、日付が変わるぐらいまで研究に浸かったりする「マッドサイエンティスト」もいますから、それに比べたらあなたはもっと常識的な能力の保有者だと思います。

マッドサイエンティストが弊サイトを見るとは思えませんし。

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まとめ

繰り返しになりますが、企業が求めるのは営利です。 企業の仕事は、大学院の研究とは別種であることを念頭に置いた上で就職活動されることをオススメいたします。

今後しばらくは、就職希望者優位の環境が続くと予想されます。 就職活動が上手くいかなくとも、どうか希望を捨てずに活動なさってください。

あなたなら大丈夫です。

違う分野へ就職するのはなぜ?

博士は研究者になると考えている企業関係者も多いので、「違う分野へ就職するのはなぜ?」という質問には答えを用意しておかねばなりません。

的確な答えを考えるのは難しいのですが、あなたの研究成果ではなく、あなたの能力と結びつけて考えると答えが作りやすいかもしれませんね。

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